2011-04-12

ストラテジック・リオーガニゼーションDay1フィリップスから学ぶ

4月期が始まった。今期はストラテジック・リオーガニゼーション(以下SRO)とアカウンティングⅡ、それと企業家リーダーシップを学ぶ。

名前のとおりSROでは、企業の変革、再生について学ぶ。「変わらなければいけないけど変われない、それはなぜなのか??」現代の多くの企業の頭を悩ますこの問いについて自分の頭でしっかり考えることができる力を養うのがこのクラスだ。

私はグロービスで企業の人材育成のお手伝いをしているわけだが、外部環境の激しい変化に対応していくために組織風土の変革が必要と考えている企業は非常に多い。高度成長、バブル、多少の浮き沈みはあったかもしれないが、日本の企業はその間右肩成長を続けてきた。本当に良い時代を知る人は企業の中でももうごくわずかになっていると思うが、その当時の勝ちパターンや企業内の慣行、組織風土というものは今も尚引き継がれ、変革の足枷になっていることは言うまでもない事実だ。

さて、このようにSROで学ぶ内容は実務にも非常にリンクするテーマと考え、楽しみにして第一回に臨んた。緊張感あるクラスでとても学びが深い3時間だった。以下、とくに深かった点を書き出してみた。

■改革を成功させるには大多数である中立者をいかに動かすか

改革を行うとはつまり、組織の動き方を変えていくということ。そのためには、たくさんいる従業員の意識や行動を変えていかないといけない。ただ、従業員の全員が、指示したからといって動くものではない。改革を先導するもの、改革に対し賛成し追随するもの、ここまでは現状認識をシェアし、危機意識を高め当事者意識に働きかければ動いてくれる。ただ、大半を占める中立者はそうはいかない。

「中立者とは、安定志向、安全志向を持ち、勝ち馬に乗りたいのだ」

つまり、中立者に対し、いくら危機意識を植え付け当事者意識に働きかけても、それによって得られる利益、期待感を持たせないことには動いてくれない。いかにしてここに響かせ動かすかが、改革を遂行する上での鍵であることを今回のクラスで学んだ。大多数である中立者を動かさないことには戦略を実行できない。

私なりの解釈だが、中立者には想いを込めたメッセージに加え、期待値を高めるファクトがいるのだと思った。

■誰がDMUか、パワーバランスを捉えること

フィリップスの改革を指導し、結果業績不振に陥り解任されたクルグを鏡に学ぶことは、改革を遂行する上でのDMUは誰かを考え、事前に根回しをしておくことの重要性。はしごを支えてくれているはずの前社長デッカーとの改革プロセスにおける握り方がもう少しきちんとできておれば、結果は変わっていたのかもしれない。根回しというと聞こえは悪いですが、これも立派な戦略を遂行するための手段だと感じた。

■一人ひとりの人生に注目すること

変化を強要されると保身が働き、既得権益を侵害されると考え反発しようとするもの。ゆえに、改革遂行時には、従業員の心、人生に目を向けて、どうすれば彼らが行動を変えてくれるかを考え抜くことが求めらる。今回の場合、組織内の共通認識となっていたキャリアパスの考え方への配慮が必要であった。


■戦略はあっているが動けない状況にある日本

クラスの最後に、今日の学びを現代の日本に置き換えてディスカッションをした。
戦略はあっているが動けない状況にある日本企業が多いという。例えば、海外に進出したいと思っているが、日本国内と状況の違う海外の地でどのように自社の強みをいかして展開していけばいいかわからず二の足を踏んでいる企業、こういった企業が結構いるとのことだ。

もともと80年代よりもっと前から日本企業の海外進出は始まっている。ただ、当時はまだ日本が成長期でメインマーケットだった。海外は生産拠点でしかなかった(低賃金労働力の活用)。ただし、
現在は違う。日本市場は縮小し、サブマーケットとなり、海外の生産拠点であった新興国市場がメインマーケットになっている。

このような状況下での成功体験を多くの日本企業は持っていない。経験則、成功体験でこれまでやってこれた日本企業は、この難題を乗り越えていかなければならない。だからこそ、人材育成が必要。過去の経験則に捉われず自ら考え行動できる人材を育成したい!という顧客の声は多い。日本企業が海外で活躍できるように、今日の学びをふまえしっかり顧客に接していきたい。

@自宅にて(まだ独り暮らし中)

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