2011-04-13

管理会計 Day1 京セラのアメーバ経営からの学び

管理会計の初回は稲盛さんの京セラのケースから経営管理システム導入のポイントを学んだ。

■そもそも管理会計とは?

私が所属する法人営業部門では訪問、提案、アフターフォローといった活動KPIを取り営業一人ひとり、また組織全体の動きを管理している。導入当初は、自分の活動が見える化されることによるプレッシャーもあったが、次第に課題が見えやすく改善につなげやすいなど効果を実感すると、各営業が率先して活動KPIを活用し、PDCAをまわすようになっていった。結果として、各自の営業力は高くなり、この厳しい環境下で前年度を上回る実績を残すことができた。

まさに、これが管理会計のもたらす効果。管理会計は人や組織の動き方を定義する。そしてPDCAサイクルを回し成果、成長をもたらす。各企業には理念があり、全社戦略があり、事業戦略がある。それを実行させる上での管理の仕組みが管理会計。

私は、この営業KPIの活用を通じPDCAの回し方、自分自身の成長のさせ方を学んだ気がする。一方で、経営側に立って考えると、この営業KPIを組織に浸透させ活用することで、各営業の動き方を揃え、改善を通じアウトプットの水準を高めていくことができる。また成果も予想しやすくなる。

☆経営管理とは、PDCAサイクルを回すこと・・・そのためのツールが管理会計

■管理会計が競争優位性を生み出すツールとなる

つまりどういうことか、自分なりに考えてみるとこんな感じ。管理会計によりPDCAサイクルが回ると組織の成長サイクルが回り出す。PDCAのPやCではあるべき姿と現状とを比較し、課題を見出して解決策を考えていくわけだが、あるべき姿を考える際には外部環境の視点が入るはず。外部環境の変化と活動内容が整合していないようであれば修正が必要。組織としてPDCAがまわっているということは常に環境変化と整合しようと自らも変化していくことになる。これだけ外部環境の変化が激しいと言われる昨今、この外部環境への適応こそ競争優位となる。

仮に、提案型営業を競合他社に真似されたとしても、PDCAをまわして培って得た提案型営業には勝てないと思う。外側は一緒でも内側の密度が全然違うと思う。組織としてPDCAをどれだけ回し独自の成長を遂げられるかがこれからの競争を勝ち抜くために必要な要素と考える。

■京セラのアメーバの優れている点

京セラのアメーバ経営の成功要因が何かを自分なりに考えてみた。

まず、技術革新の連続、製品のPLCが短い、成長予想が難しいといった半導体、エレクトロニック業界の特性との整合性にあると思う。もともとが7人のパートナーシップでアメーバの前身のような形で運営されていたからとも考えられるが、おそらくこの業界での勝ち方を徹底的に分析しこの経営スタイルを考えたのだと私は思う。フレキシブルに組織を変えていくこと、成長領域にすぐに資源を集中させたり、リスクを分散させることがアメーバだとできたのだと思う。

次に、導入後の従業員の感情の変化や組織におこる問題を想定した仕掛けを事前にセットにして導入している点だと思う。例えば、目標KPIを付加価値(短期的な付加価値だけでなく長期的な付加価値)に設定し競わせた点がある。これは、売上や利益で競わせるとアメーバ間の対立を生じさせ、部分最適の志向が強くなってしまうことを想定していたと思われる。付加価値は、一機能だけでも出せるかもしれないが、連携することでより高められる可能性がある。一つひとつは独立しているが、相互に影響し合って付加価値を高めていく意識がアメーバ間にはあったのではないかと思う。

また、外部の視点を必ず入れ、変化に適応できる仕組みとした点もポイントだと思う。アメーバ間取引において忌避権を与えたことや、外部の変化を反映した市場価格と比較する点などが該当する。独立したアメーバそれぞれが外部に対してアンテナを張ることで、変化に敏感な組織風土を形成し、結果として新たな技術、製品をどこよりも早く生み出していくことを可能にしたのではないか。

■SROの学びと合わせて・・・

自社にアメーバ経営は導入できるか?という問いに対し、多くの意見が「できない」だった。その理由が、「現状○○だから無理」というもの。例えばリーダーの能力が低いから導入できないと考えるのではなく、そもそも自社の課題を解決するために導入が必要かどうかを考えた上で、リーダーの能力に問題があるのであればどうすればそれを解決できるかを合わせて考えていくことが大事だと思う。

クラスでは、マイルストーンを考えることが重要、という表現をされていたが、経営者の視点でまず解決すべき本質的な課題が何かを考えないといけない。本当に変革が求められたときに、「組織風土が合わないから」とかはできない理由にはならない。むしろそれが変化の足枷になっているから変革しないといけないのだと思うのだ。



今週末は、企業家リーダーシップでケースが3冊ある・・・。でもCCCのケースは読んでいるだけで非常に勉強になる。蔦谷書店(現TUTAYA)の創業からは学ぶことが多そうだ。今からクラスが楽しみ^^


@自宅にて

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